senses

感覚特性

touch

手触りと質感

焼き締まった無名異焼の器肌は、使い込むごとにしっとりとした滑らかさを帯び、手になじむ質感へと変化します。製造には「生磨き」など独特の工程があり、手仕事によって丁寧に磨き上げられた表面は、工芸品でありながら道具としての心地よさも併せ持ちます。指先に吸い付くような感触が、使う人の所作に静けさをもたらします。

sound

金属音と
焼き締まり

無名異焼を指ではじくと、澄んだ金属音が響きます。
これは、高温で焼き締められた器の密度の高さを物語る音です。なかでも、朱紫泥焼(しゅしでいやき)と呼ばれる高火度焼成の技術は、初代・三浦常山や初代・伊藤赤水らによって確立され、もろかった焼き物を堅牢なものへと進化させました。この「音」は、無名異焼がただの陶器ではなく、土と火の緊張感から生まれた存在であることを教えてくれます。

sight

色合いと
艶の育ち

焼成の加減や混ぜる素材によって、無名異焼の表情は一点ごとに異なります。
赤褐色から黒、金属光沢を帯びた表面まで。色と艶の変化は予測不能で、まさに「一焼入魂」の世界です。特に使い込むことで生まれる朱色の深みや艶の変化は、器が「育っていく」ような感覚を与え、持ち主との時間を映し出します。

taste

味を
まろやかに

無名異土に含まれる鉄分が、お茶・酒・コーヒー・ビールなどの味をまろやかにすると言われ、食の専門家からも注目されています。
無名異焼の器は、熱伝導率が高く、あたたかいもの・冷たいものを最適な状態で楽しむことができます。 まさに、「味わう器」であり、「五感で嗜む陶芸」。その味わいは、時間とともに器と人の関係を深めていきます。